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「はい、ホットミルク」 オレの目の前に出されたのは、可愛らしいマグカップの中にで形を成している、白い液体。 「…はぁ…神様、俺の彼女は意地悪です…」 「何言ってんの。神様なんか信じてないくせに」 ごもっとも。でもさ、意地悪ってとこは否定しねえよ。 …コレ、俺にとって拷問だからね? それを解っててやるは意地悪以外の何モンでもないだろ。 「天才錬金術師、エドワード・エルリック…苦手なものは『牛乳』だなんて…」 「ああん?苦手じゃなくて、お前らがおかしいんだよ!何でこんなモンが飲めるんだ…俺の舌は絶対に正しい」 「あんた、全国の乳牛に謝った方がいいわ。…しっかし、何でそんな自信を持てるのかが不思議」 俺はこれだけは譲れないわけだ。 目の前に置かれたマグカップからは、ほかほかとあの臭いを纏った湯気が湧いている。 あー、この臭いと感触と味。この全てが俺の神経を逆なでするわけですよ。 つまり、嫌いなんだって。 「飲まないとおっきくならないよー、エドワード君。」 「うっせー!誰がミニマムチビかー!!」 「誰も何も言ってないから!」 いい加減観念しなさい、というは、段々某幼馴染のあいつに似てきた。(あんなのの影響受けないでくれ。) ちくしょー、俺が……さい…からコレを飲めと言われんのか。あー!もっとこれから伸びるんだよ! まだ育ち盛りのはずなんだって! 「…別にさ、私はエドがおっきかろーが、その反対だろーが、いいんだけどね」 「ならいーじゃん」 「栄養のバランスを考えていってるの。牛乳は素晴らしいのよ!何故学校の給食に出るのか考えてみなさいよ」 「……でも嫌いなんだからしょーがねーじゃんか」 ほんっと、…この身長って損だなあ。 チビだミジンコだガキんちょだの… いいことあった試しが…ね…?ん? 「………だからね、牛乳はー…ってエド、何そんなにじっと見て?」 「いや、俺さあ、ちょっと考えたんだけど。」 「何よいきなり?」 マグカップにちょっと手を伸ばすと、少し冷めていたからか、心地よい暖かさが伝わる。 中身には、うっすら、あの特有の白い膜が出来ていた。(コレも嫌いなんだよな…) 「俺、見た目で損なこと多いじゃん。チビ…とか言われっしさ。」 「まあ軍の人々からみたら余計よね」 「認めたくないけど、事実なわけだ。んで、逆に良かったこと、いっこだけあったんだよな」 怪訝そうに俺を見つめる。ちょうど良く立ったままだった。 俺はすっと先ほどまで座っていた椅子から立ち上がった。 「何?」 ちょっと近づいて。もっと、近づいて。 「この身長だとさ、とキスしやすいってこと」 いただき。 何か言わせる前に。すぐ。 そっちのが、後の反応が面白いし。(それに可愛いし。) 「…ばかじゃないの、チビエド」 「お生憎様。それ今は褒め言葉だかんな。俺よりチビなちゃん。」 真っ赤な顔してる顔が、この身長だと楽に。よく見えるわけです。 この身長で、ちょっと、ていうかかなり良いこと。 「やっぱ俺、牛乳飲まなくてもいいんじゃん?」 「…ばか、余計飲みなさいこの破廉恥小僧。」 マグカップのホットミルクは、すっかり冷めていた。 しょうがないから、もう一度あっためてと俺は意地悪で可愛い彼女に頼んだ。 さ、たまには言うこと聞きますか。 (案外悪いことばっかじゃないかも。) |